金縛り・・・なぜ動けない?どんな時におきる?
奇妙な現象「金縛り」
身体が動かなくなり・・・
いるはずのないものがそこにいるように
感じるなど・・・
江戸川大学の福田一彦教授のアンケート調査では
40%ほどの人が金縛りを経験してると云います。
金縛り体験の現象
・声が出ない
・身体が動かない
・恐怖感
・何かが乗っているような感じ
・人、ものの気配がする
・幻覚、幻聴
などが挙げられますが、科学的に
紐解いていきましょう。
私たちは寝ている時に2種類の睡眠を
体験しています。
眠り始めるとまず、脳も体も休められた
深い「ノンレム睡眠」が訪れてその約90分後
体は休んでるのに脳が活発に働く「レム睡眠」
がやって来ます。
この2種類の睡眠は約90分おきに交互に訪れて
来るのです。
睡眠の病気やストレスが重なったり不規則な
睡眠サイクルを繰り返していると・・・
この順番が崩れ・・・
眠り始めに「レム睡眠」がやって来る事があり、
この時の順番の狂った・・・
「レム睡眠時」に体験する現象が・・・
医学用語で「睡眠麻痺」と呼ばれる・・・
そう、「金縛り」の正体なのです。
実は金縛りの体験者が見ているものは、
すべて「自分の脳」が創り出したイメージ
つまり夢の一種です。
この鮮明過ぎる夢の一種を経験する事を
医学用語では「入眠時幻覚」と云います。
レム睡眠時は周囲からの感覚情報が遮断され
大脳の下にある「橋」という場所から・・・
「アセチルコリン」という物質が出て「視覚野」
を刺激する事で架空の視覚情報が創られます。
ただし、金縛り中は通常のレム睡眠時よりも意識が
ハッキリしていて、夢とは思えないほど鮮明な体験
となる事が多いのです。
ところで、金縛り中に体験するのは怖い体験が多く、
自分で創り出すイメージなのに美しいものやカワイ
らしい体験が少ないのでしょうか?
レム睡眠中に脳の働きを調べると・・・
「扁桃体」という部位で血流量が増えます。
この「扁桃体」が恐怖の感情をつかさどる脳の領域
なのです。
答えは・・・
レム睡眠時に活動が活発になる「扁桃体」が大脳の他の
領域と協力して「怖くて鮮明」な夢を創るです。
では、動けない感覚はナゼでしょう?
「橋」の下の延髄から延びる神経細胞が・・・
せきずいの「前角細胞」を抑えて・・・
脊髄から筋肉に延びる「動き」を出す前角細胞への
脳からの指令が遮断され・・・
筋肉に動きの指令が出せなくなるからです。
金縛りにあいやすい条件
・1時間以上の長い仮眠をとってる
・寝る時間が遅い
・疲れている
・嫌な事や心配事がある
・生活が不規則
・あお向けの体勢で寝る
などです。
金縛りの奇妙な体験の正体は脳の働きで
解明されてます。
原因不明の怪奇現象ではないので・・・
怖がらずにあいやすい条件を減らして・・・
快適に眠りましょう。