免疫力の強化のツボ
人間がまだ遭遇したことのないウィルスや病原菌は
怖いものです。
これは免疫機能がその病原菌と戦うための「抗体」を
備えていないからです。
「抗体」とは免疫細胞が特定の病原菌と戦う為の、
強力な武器です。
人間が抗体を持たない病原菌に対して備える方法は
免疫力を鍛え強化するしかありません。
免疫力は身近な病原菌と戦うごとに鍛えられ、強化
されます。
「ちょいワル菌」が入ってくるだけでも免疫細胞は
いっせいに働きこれを退治します。
免疫力を日頃から鍛えておけば未知な病原菌が入り
込んでも鍛えた免疫機能が防いでる間に「抗体」を
作りだし敵を撃退できます。
細菌やウィルスが怖いからといってむやみに排除しすぎて
無菌室に閉じこもっていると免疫機能は鍛える機会を
失い弱体化してしまいます。
さらに、危険な新種は人間が作り出していることです、
殺菌剤、抗菌剤、抗生物質などの乱用により、
新たな病原体が次々に生まれてきます。
毎冬の型が異なるインフルエンザや病原性大腸菌の
一種であるO−157による食中毒も他人ごとでは
ありません。
病原性大腸菌は人の大便に含まれる大腸菌を汚染の
指標とし抗生物質や殺菌剤で一掃しようと取り組んだ
結果、生まれてきた菌です。
人間に滅ぼされかけた大腸菌が生き延びる為により強い
子孫を残そうと約200種類もの変種を生み出したのです。
そして新種の多くは強力な毒素を産生します。
元はというと大腸菌は私たちの腸に棲む「共生菌」です。
大腸菌は身体に有害な病原菌が入ってくるとそれを察知
する見張り役をしたり腸が消化できない食物繊維を分解
してエサとしたりビタミン類を合成する働きはあまり
知られていません。
有名なのは大腸菌が腐敗菌で腐敗物質を産生し、
他の臓器を傷つけたり、病気を引き起こす原因とした
面だけです。
しかし問題なのは大腸菌その物ではなく・・・
大腸菌を異常発生させる事で・・・
その問題解決は私たちの「食生活」にあるのです。
赤ちゃんの発達に於いても大腸菌は重要な役割があります。
お母さんの胎内は無菌状態で胎児も無菌で免疫力は
「ゼロ」です。
赤ちゃんは誕生と同時に急いで免疫力を着けなければ
なりません、そのため大腸菌などの「ちょいワル菌」を
たくさん取り込むのです。
分娩の際、赤ちゃんは母親の便にいる大腸菌を取り込む
ことができ、その後も手に触れるものを何でも舐め、周囲に
いる「ちょいワル菌」を腸に取り込んで免疫機能の抗体を
つくり免疫細胞をどんどん活性化させて行くのです。
便に含まれる細菌を調べると生後まもなくは悪玉菌と
呼ばれる大腸菌や腸球菌が群を抜いて多くなりますが、
やがてビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が増えて
いきます。
悪玉菌が土台をつくり善玉菌が増殖していくのが、
善玉菌優勢の腸をつくる順番で・・・
実はこの生後1年間の腸内環境の組成が・・・
生涯の健康状態をほぼ決定すると考えられています。
生後1年間多種多様な細菌を腸に取り込み・・・
腸内細菌をいかに豊かに育んだかが・・・
その後生涯の免疫組成を決める、大事な期間だと
云うのです。
赤ちゃんにはたくさんハイハイをさせ、(薬品や添加物など
化学物質以外の)自然界の菌を自然に舐めさせましょう。