動脈硬化にも腸内細菌が関係している
科学誌「ネイチャー」に掲載された
Z・ワン博士の研究論文によると・・・。
アメリカのクリーブランドで心臓検査をした患者から
血液サンプルを採取し3年間検証した結果。
心筋梗塞や脳卒中になった患者の血液には・・・
腸内細菌が脂質から作り出す代謝物が高値で
検出されたのです。
腸内細菌の代謝物が肝臓に運ばれて「活性酸素」と
結びつき「酸化」し、全身の血管をめぐる事で・・・
「動脈硬化」が進行するメカニズムが示されたのです。
動脈硬化は前項で書いた通り、私たちが生まれた瞬間
から自覚症状のないまま進行し、血管の通り道を
狭くしたりふさいでしまいある日突然・・・
心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす、糖尿病の合併症の
最終形とも云われる怖い病気です。
原因はコレステロールや中性脂肪などの脂質が動脈に
溜まり血管を厚くして硬化したり血流をせき止めてしまう
ことから、お医者さんも「肉や卵など高脂質の食事」は
控えるようにと「食べ物」だけを特定して指導して来ました。
最近のニュースでも卵と動脈硬化の因果関係が無いと
発表されたり、健康長寿者が積極的にお肉をとっている
実例など・・・
頻繁に肉を食べても動脈硬化にならない人がいれば、
肉や卵を控えてるのに動脈硬化を進行させてしまう人
もいます。
Z/ワン博士の論文が示した結果は肉や卵とか食べ物
が直接的ではなく、動脈硬化の進行の最大の原因は、
「腸内細菌の出す代謝物」の影響にあったのです。
ではどんな腸内細菌が動脈硬化に関与してるのでしょうか?
脂肪を好む悪玉菌と腸内環境が悪化した時に悪玉菌に
味方する日和見菌が関与しています。
動脈硬化の原因となる腸内細菌の代謝物は・・・
肉や卵に含まれる「フォスファチジルコリン」という栄養成分
から作られるからです。
「フォスファチジルコリン」は細胞膜の材料になるなど、
人体にとって大事な成分ですが、悪玉菌優勢の腸に
なるとバランスを崩した腸内細菌たちは大事な栄養素も
体や血管を傷つける成分に変えてしまうのです。
*健康にとって必要なのは・・・
食べ物を食べる食べないよりも、*食べ過ぎて*悪玉菌優勢
のバランスを崩すした腸内環境にしない事なのです。
「動物性食品は腸で腐敗するので体に良くない」という説が
ありますが、腸で腐敗物質が増えるのは悪玉菌が異常に繁殖
している時で・・・
腸内バランスが善玉菌優勢になっていれば・・・
肉も卵も腐敗の原因にはなりません。
善玉菌の第一の栄養素である「水溶性食物繊維」を毎日与え、
善玉菌を増殖し、腸内環境を整える事が食べ物を良い栄養素と
する根本なのです。
NHK「ためしてガッテン」2015年6月10日放送でも
慶応大学医学部伊藤裕教授が今、もっとも注目されている
研究として水溶性食物繊維の「イヌリン」を善玉菌には
ペットに「エサ」を与えるるように毎日と紹介しているのも・・・。
2015年7月19日(日)放送のTBS「駆け込みドクター」で
池谷敏郎医師が注目のスーパーフードとして
天然のインスリンと言われるイヌリンや
ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる「菊芋」
を紹介しているのも。
ただ「血糖値を下げる」だけではなく一番大事な
「腸内善玉菌」を増殖させる「イヌリン」が
糖尿病だけではなく健康の根本に関係して
いるからでしょう。
NHK「ためしてガッテン」と「駆け込みドクター」の概要は
テロップでこのサイトで紹介しているのでご覧下さい。