肥満の人は「肝臓ガン」になりやすい。
肥満の人が「肝臓ガン」になりやすい事は判っていました。
しかし、発症メカニズムは明らかではありませんでした。
最近、その原因が「腸内細菌」である事が確認されました。
研究発表をしたのは「がん研究会」の大谷直子研究員と
原英二郎研究グループで、
英国科学誌「ネイチャー」の電子版に発表されています。
「腸内細菌」は便宜上、
「善玉菌」
「日和見菌」
「悪玉菌」
に大別されています。
近年の遺伝子研究で腸内細菌も遺伝子解析が可能と
なり、これまで知られてなかった細菌の存在が判って
きました。
それにより、ここでも何回も出ている・・・
2万種、1000兆個もの「腸内細菌」の生息が確認されて
います。
遺伝子解析の結果
「フィルミクテス門」
に属する腸内細菌が最も多く
「バクテロイデス門」
「プロチオバクテリア門」
「アクチノバクテリア門」
と続きます。
これら4つの細菌群を従来の分類に当てはめると・・・
「フィルミクテス門」と「「バクテロイデス門」が日和見菌。
「プロチオバクテリア門」が悪玉菌。
「アクチノバクテリア門」が善玉菌となります。
腸内細菌の大部分は日和見菌が占め・・・
次に多いのは何と悪玉菌でした。
善玉菌は最も少ない菌種で腸内細菌全体の10%以下
しか存在していない事が明らかにされたのです。
肥満になると「フィルミクテス門」の腸内細菌が異常に増える
事が確認されました。
「肝臓ガン」を引き起こしていたのは・・・
「フィルミクテス門」の細菌群だったのです。
「フィルミクテス門」の細菌は腸内で異常に増殖すると、
消化液である「胆汁」の成分を・・・
細胞を老化させる物質へと変えていました。
この老化物質が肝臓に取り込まれると肝臓の細胞が
老化し、細胞老化をおこした肝細胞は発ガンを促す
タンパク質を周囲に撒き散らします。。
「肝臓ガン」はこうして発症していたのです。
研究では通常食のマウスでは「フィルミクテス門」のグラム
陽性菌が腸内細菌の約半分しかいませんが・・・
太らせた肥満のマウスでは「フィルミクテス門」のグラム
陽性菌が腸内細菌の9割以上を占めていました。
「肝臓ガン」を防ぐには肥満の状態を解消することが第一
です。
脂肪分の多い食品や糖質の多い食品を控え、食物繊維を
多く摂っていれば「肥満」は解消されます。
「肥満」の体で無くなれば「フィルミクテス門」菌の異常増殖
はやみ、腸内バランスが整い「肝臓ガン」になりにくい体に
なるのです。
命や健康を守るために大事なのは・・・
医薬に頼って悪い菌を遠ざけるのではなく・・・
腸内細菌のバランスを最高のコンヂションに整える・・・
根本的な解決が必要なのです。
腸内細菌の10%以下しかいない善玉菌を増やせば・・・
どちらにも変わる、
「フィルミクテス門」と「「バクテロイデス門」の日和見菌が
善玉菌側につき、圧倒的に腸内環境が良いコンディション
に変わります。
毎日、花に水をあげる様に・・・
「善玉菌」に「イヌリン」などのエサを与えて育てましょう。