動脈血ガス分析(phバランスが崩れたら重症)
人間は呼吸するときに肺で酸素を吸収し、
二酸化炭素を出します。
じん臓では電解質を出したり取り込んだり
します。
この呼吸の状態とじん臓の状態を複合した
結果を見るために、
動脈血の検査を行ないます。
人間の血液は正常な状態ではph7.4の中性に
保たれていて、呼吸状態が悪くなると・・・
血液は酸性に傾きphが7.4より小さくなります。
この状態をアシドーシスといいます。
逆に過呼吸になるとアルカリ性に傾き、
phが7.4よりも大きくなります。
この状態をアルカローシスと呼びます。
又、じん臓が悪くて尿がつくれない時も
アシドーシスになります。
呼吸の状態が悪くてアシドーシスになる事を
呼吸性アシドーシスと呼び、
じん臓が悪くて尿が出来ない場合を、
代謝性アシドーシスと呼びます。
このような血液の状態を正確に見るために、
腕の動脈や脚の動脈から採血し検査します。
《測定項目》
PaO2=動脈血酸素分圧
動脈血に含まれる気体の中で酸素が占める圧力。
正常値 88mmHg?102mmHg
PaCo2=動脈血二酸化炭素分圧
動脈血に含まれる気体の中で二酸化炭素が占める圧力。
正常値 36mmHg〜44mmHg
SaO2=酸素飽和度
動脈血ph
正常値 7.38〜7.41ph
7.41ph以上で代謝性アルカローシス
もしくは呼吸性アルカローシスの疑い
BE=塩基過剰
正常値 -2~2mEq/L
血漿HCO3-濃度
正常値 36~44mEq/L
動脈血の検査で最も重要なのはphです。
体はさまざまな代償を払ってphを7.4
付近の中性に保とうとします。
これが崩れるという事はかなり重篤な
状態といえます。
呼吸性アシドーシスには
呼吸中枢抑制
肺疾患
気道閉塞
神経筋疾患
などがあります。
呼吸性アルカローシスには
心因性過呼吸
サリチル酸中毒
疼痛
発熱
などがあります。
動脈に針を刺して採血するのは難しく、
血が止まらないという欠点があるので、
最近では指に光をあてて色をみて、
酸素飽和度を測る機械が使われます。
酸素が多い血液は鮮やかな赤色
酸素が少ない血液は赤黒くなる
特徴をを利用しています。
ph=水素イオン指数
phは溶液中の水素イオン濃度をあらわす
指数です。
溶液のphが7のときが中性
7より小さいときが酸性
7より大きくなるとアルカリ性です。
血液がph7.4のはぼ中性
涙液がph8.2の弱アルカリ性
鼻水がph5.5~6.5の弱酸性
皮膚がph4.5~6.0の弱酸性
になっています。
phがくずれると重症な疾患の
おそれがありますので、
注意確認いたしましょう。