免疫は腸内細菌がつくりだす。
免疫にとっては私たちが日々たべてる物も異物と
なります。
外から侵入するものはすべて異物とされ、体に
取り入れて良いか区別されます。
その決断を下すのは「小腸」の壁である「腸粘膜」
です。
小腸の断面図を見ると腸粘膜には「絨毛」と呼ばれる
細かな突起がびっしり生えてます。
「絨毛」の表面にはさらに細かな突起がブラシのように
並んでいます。
この突起を「微絨毛」と呼び、私たちが食べたものは
この「微絨毛」から吸収されます。
食物は小腸の上部にある十二指腸にてすい液や
胆汁といった消化液で細かな分子に分解されます。
炭水化物はブドウ糖に・・・
タンパク質はアミノ酸に・・・
脂肪は脂肪酸やグリセリンへと
分解されながら小腸を流れて行き、「微絨毛」から体内に
吸収されます。
「微絨毛」の膜には消化の最後に働く「酵素」があり、
栄養素はこの酵素によって最小単位まで分解され、
体内の栄養素として取り込まれるのです。
反対に体内で必要とされない異物などは、「微絨毛」
から取り込まれずに体外に排泄されます。
このように「腸」の粘膜は体に必要な栄養素を吸収し
不要な物質や毒素の侵入を拒む機能を持っています。
今まで登場した「微絨毛」は「神の手」ともたたえられて
いて、大事な免疫システムです。
腸粘膜には「バイエル板」と呼ばれるドーム状の免疫
組織が存在しており、
「神の手」や「バイエル板」など腸特有の「免疫システム」
は機能の活性化の為にあるモノの力を借りています。
この力が腸に共生し棲みついてる2万種、1000兆個と
云われる「腸内細菌」なのです。
ある研究実験があります。
「腸内細菌」がまったく居ない「無菌マウス」をつくり観察
すると・・・
成長後、「小腸」が短く、
「バイエル板」も小さく
なる事が判りました。
無菌マウスは食べる量も少なく、免疫がほとんどありません。
「腸内細菌」が居ないと「免疫機能」も「腸」も育たないのです。
腸内細菌が十分に働けないと「腸」は「粘膜」を正常に
作れなくなり、腸粘膜に穴が開いてしまいます。
乳幼児の場合、食物アレルギーを発症するリスクが高まり
栄養素が消化の不十分な分子のまま腸管から体内に入り
込み易くなる「リーキーガット症候群」の原因となります。
分解の不十分な大きな分子が侵入してくるのは、体にとって
「異常事態」です。
その大きな分子に免疫細胞が反応して、体内でアレルギー
症状が引き起こされてしまうのです。
食物アレルギーのアレルゲンになるのは、卵・乳製品・小麦
・甲殻類・ソバ・ピーナッツなどに含まれるタンパク質です。
大人の場合、栄養素が吸収されなくなるので・・・
疲労感が増し、膨満感が現れ不快感を覚えるようになって
きます。
日頃の生活で・・・
「抗生物質」
「食品添加物」
「化学物質」
などは不用意に「腸」に入れないように気をつけましょう。